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魔法の呪文

アレクサンダー・テクニーク教師/演奏改善コーチの佐藤拓です。
今日は魔法、呪文、というちょっと怪しげなテーマです。

「あれ!?できる・・・。魔法みたいです!」
フォーカル・ジストニアやアンブシュアの不調の方とのレッスン中はこんな言葉をよく耳にします。

これ、私が魔法をかけて演奏できるようにしているのではなく、生徒さん自身がかけて、そして今もかけ続けてしまっている魔法を解くお手伝いを私がした結果、魔法が解けて演奏できるようになったのだと考えています。



「魔法」という言葉、非科学的だし怪しさ満点ですが、つまり何を意味するかといえば本人の「思考」なのです。アレクサンダー・テクニークの伝説的な教師マージョリー・バーストウ(1899-1995)の『あなたが「魔法」と呼びたいもの、それはあなたの「建設的な思考」よ』という言葉も残されています。私の言う「魔法」や「呪文」は特定の宗教・イデオロギーを背景に持つものではありません。こういうのが苦手な方ももう少しお付き合い下さい(笑)



私はフォーカル・ジストニアを「かなり強烈な魔法」と捉え、レッスンでは「魔法を解く方法」を身につけ、自力で魔法から解放されるお手伝いをしようと心掛けています。

ジストニアという魔法は、自分でかかってしまっている要素が強いため、外からの介入で根本的には治しにくいのです。私のレッスンでは、まず私が手や言葉を使ってサポートすることで、生徒自身が魔法にかからず演奏できるよう手助けをします。そのうえで、その状態をひとりで作れるように「呪文」を授け(!)ます。

基本になる呪文は「背骨の上で頭がバランス」です。「キーを押すのは指」「足は床、上半身は椅子」なんて当たり前なのもありますし、その時に応じていろいろあります。もちろん一生有効というのばかりでなく、とりあえず症状が出なくなるまで、次回のレッスンまで、など期間を決めて使ってもらう呪文もあります。フォーカル・ジストニアの症状や不調になってからの期間は人それぞれで、どれくらいの期間で良くなるかは一概には言えません。しかし私は自分自身の演奏家、ジストニア患者、アレクサンダー・テクニーク教師としての経験をもとに、生徒さんの状態を観察して、適切なタイミングで呪文を提案して、少しでも早い根本的な改善を目指しています。

ただし、これらの呪文が効果を発揮するためには「信じていること」が前提となります。アレクサンダー・テクニークのレッスンの感想として聞かれる「レッスンの時は魔法にかかったように演奏できたことが、その後一人では出来ない」というのは、残念ながら呪文(=自分の建設的思考)を信じきれていないからではないでしょうか。

どうか私のレッスンを受けに来る際には、録音・録画を利用してご自身で「魔法が解けた」効果を確認してください。そして「呪文」(=具体的な演奏のための「プラン」)をメモして、それを信頼してしばらく続けてみてください。
必ず良い効果が得られるはずです。

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2015年02月27日

コメント
[1] 荒木靖博 | 2015/03/01 20:03
初めまして。
昨年末にアレクサンダー教師になった荒木と申します。
石坪さんのところで勉強をしました。
ブログをとても興味深く拝見しました。
「魔法を解く」と言う表現は、本当にその通りと膝を打ってしまいました。
僕も生徒さんとのレッスンで使わせてもらえたらと思います。
今後共よろしくお願いします。
[2] 佐藤拓 | 2015/03/22 23:08
荒木さん、コメントありがとうございます。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
name.. :記憶

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