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上智大・古屋先生の新しい治療法 tDCS

先日からSNSで多くの方がシェアしていますのでご存知の方も多いと思いますが、今春から上智大学の准教授になられた古屋晋一先生の研究が注目されています。

(以下、上智大学のホームページからの引用です)

上智大学理工学部情報理工学科の古屋晋一准教授は、ゲッティンゲン大学のNitsche教授、Paulus教授,ハノーファー音楽演劇大学のAltenmüller教授らと共同で、非侵襲に脳を電気刺激する手法を用いて、音楽家の局所性ジストニアの運動機能低下を改善する新しい手法の開発に世界で初めて成功しました。この成果は、脳神経内科分野において世界最高峰のアメリカの学術雑誌Annals of Neurology (アナルズオブニューロロジー誌、インパクトファクター 11.2)に、2014年4月7日付でオンライン版にて先行公開されました。

古屋准教授らは、非侵襲で頭皮上から脳を電気刺激する経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)という技術を用いて、ピアニストのジストニアの症状を改善することに世界で初めて成功しました。

本研究で得られた成果は、局所性ジストニアの画期的な治療法の開発の基盤となるだけではなく、脳科学、リハビリテーション科学、生体医工学、スポーツ科学など幅広い分野への波及効果が期待できます。

(引用ここまで)
原文http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/news/2014/4/globalnews_1078/20140416press?kind=0&target=press

昨年ハノーファーで開催されたジストニア学会での古屋先生の発表によると、頭の表面から微弱電流を流すことによって、症状の出ていない手の運動プログラムを、症状の出ている側に「コピー&ペースト」するということのようです。

アンブシュアのジストニアへの応用は現段階では難しいとのことですが、指のジストニアの人にとっては非侵襲(体を傷つけない)、つまり低リスクですから、試してみる価値が十分にあると思います。

私は、さらに並行して演奏テクニックの再教育という意味でのアレクサンダー・テクニーク、フェルデンクライスなど「動き」についての学習が重要であると考えています。

2021年4月10日追記
tDCS、最近は聞きませんが、どうなのでしょうか?もしも情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらお知らせください。

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コメント
[1] stihia | 2014/04/24 23:50
そういうことだったのですか。
私はただ単純に電流によって脳の可塑性を高めてリハビリによる復元力を増幅するということかと思っていましたが、電流の流し方によってそのようなコピペができるというのも不思議ですね。
「訓練効果は数日間にわたり保持」という箇所が気にかかります。
TMSでも効果はたいてい数日間で消えると聞いていますが、効果が定着してくれないと…
でもここから出発して広範囲に適用できるところまで進歩してほしいですね。
[2] 佐藤拓 | 2014/04/26 22:42
stihiaさん
抑制系を刺激するのではないか?と推測しています。
その、効果が保持している間に(不随意運動が起きにくい間に)新しい、より効率的な運動パターンを身につけることが重要だと思います。
そのお手伝いをできれば、というのが私の仕事です。
ボツリヌスもそうですが、医療を否定するわけではなく、併用することで効果を最大限にする、という発想です。
name.. :記憶

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