なぜフォーカルジストニアにアレクサンダーテクニークが有効なのか?レッスンでは具体的にどんなことをするのか?という質問をたびたび頂いております。今回はある生徒さんとの経験を基に、その質問に現在の私なりの答えを述べさせていただきたいと思います。
音楽家のジストニアなどの動作特異性フォーカルジストニアは、私の考えでは培われた習慣です。演奏技術の上達も、フォーカルジストニアも「脳の可塑性(適応して変化する能力)」から見れば同じことなのです。脳にとっては変化というひとつの事柄を、結果によってポジティブに「上達」と捉えたりネガティブに「病気」と捉えたり・・・迷惑な話なのかもしれません(笑)
アレクサンダーテクニークでは、「現在の問題を分析して、原因を究明し、それを潰していく」という現代医学的な考え方ではなく、そもそもどのように演奏したいのか・実現するために何ができるかという解決指向のアプローチをしていきます。
では具体的にどのようにアプローチをしていくかというと・・・
大切なことはただ一つ
脊椎が圧迫されていない=頭が背骨の上でバランスをとっている状態を実現することです。
すべての脊椎動物の動きのクオリティは、頭と脊椎の関係によってきまる、ということはF.M.アレクサンダーと同時代のジョージ・コグヒル、ルドルフ・マグナスといった科学者たちによって明らかにされています。
先日、ある管楽器奏者が、長年の演奏時の不調(ジストニアではありませんが)を解決したい、とレッスンにいらっしゃいました。具体的なレッスンの流れを少し書いてみます。
〈頭と脊椎の関係〉
頭と脊椎の関係についてお話しし、私の手でガイドすることによって人間が本来持っている機能をより発揮できる使い方の大原則となる頭が背骨の上でバランスをとっている状態を体験していただきました。
その過程で、生徒さん自身も意識していなかった習慣的な使い方の癖に気付き、私はそれをやめるお手伝いをします。
〈刺激に対する反応〉
立つ、座る、楽器を構える、演奏する・・・といった数々の動作、我々はその動作をしようと決めて、行います。この決定と遂行は刺激(例・演奏しようと決める)と反応(例・演奏する)という関係にあります。
人間の活動はそもそも、自分の内と外からの刺激に対して絶え間なく反応するというプロセスです。
F.M.アレクサンダー 『自分の使い方』第2章)
刺激に対する反応のパターンが固定されてしまった状態が〈習慣〉です。たとえば「座ると腰が痛くなる」という人は、「座る」と決めると、「腰が痛くなる」座り方のパターンしか選択できない状態に陥っているのです。本来ならば座り方ひとつとっても多くの選択肢があり、我々はそれを選択する自由を持っているのです。
この例では、私がサポートしながら、頭が背骨の上でバランスをとった状態で座ってみる、という体験をすれば、新たな反応のパターンを生徒自身で発見することができるのです。
同じ理論に基づいて、立つ、座る、歩く、楽器を構える、演奏する、といった日常の動作から、嫌いな人との会話、オーディション・本番、といった特殊な状況下での活動まで、自分自身の反応を選択する自由をどんどん発見していくことができます。
そんなことをしながらレッスンはあっという間に終了、遠方の生徒さんだったので、継続してのレッスンは不可能だったのですが、半月ほどしてメールを頂きました。
楽器演奏にももちろん効果はあったが、レッスン以来、肩こりと腰痛がピタっとなくなり、なんと長年の悩みだった消化不良も減ったのだそうです。
「自分がいかに身体に負担をかけて生活していたかわかりました」と書かれていたとおり、この生徒さんは長年、しなくてもいい努力を続けることによって結果的に自分の邪魔をしてしまっていたのでした。
自分がしてきたことに不調の原因がある、という事実を突きつけられることは気分のよいものではありませんが、「画期的な治療法」や「期待の新薬」を待つことなく自分自身で治せるということは大きなチャンスなのではないでしょうか!?
この自分でできるようになるプロセスをひとりでも多くの方に体験していただくのが私のレッスンの目標です!
音楽家のジストニアなどの動作特異性フォーカルジストニアは、私の考えでは培われた習慣です。演奏技術の上達も、フォーカルジストニアも「脳の可塑性(適応して変化する能力)」から見れば同じことなのです。脳にとっては変化というひとつの事柄を、結果によってポジティブに「上達」と捉えたりネガティブに「病気」と捉えたり・・・迷惑な話なのかもしれません(笑)
アレクサンダーテクニークでは、「現在の問題を分析して、原因を究明し、それを潰していく」という現代医学的な考え方ではなく、そもそもどのように演奏したいのか・実現するために何ができるかという解決指向のアプローチをしていきます。
では具体的にどのようにアプローチをしていくかというと・・・
大切なことはただ一つ
脊椎が圧迫されていない=頭が背骨の上でバランスをとっている状態を実現することです。
すべての脊椎動物の動きのクオリティは、頭と脊椎の関係によってきまる、ということはF.M.アレクサンダーと同時代のジョージ・コグヒル、ルドルフ・マグナスといった科学者たちによって明らかにされています。
先日、ある管楽器奏者が、長年の演奏時の不調(ジストニアではありませんが)を解決したい、とレッスンにいらっしゃいました。具体的なレッスンの流れを少し書いてみます。
〈頭と脊椎の関係〉
頭と脊椎の関係についてお話しし、私の手でガイドすることによって人間が本来持っている機能をより発揮できる使い方の大原則となる頭が背骨の上でバランスをとっている状態を体験していただきました。
その過程で、生徒さん自身も意識していなかった習慣的な使い方の癖に気付き、私はそれをやめるお手伝いをします。
〈刺激に対する反応〉
立つ、座る、楽器を構える、演奏する・・・といった数々の動作、我々はその動作をしようと決めて、行います。この決定と遂行は刺激(例・演奏しようと決める)と反応(例・演奏する)という関係にあります。
人間の活動はそもそも、自分の内と外からの刺激に対して絶え間なく反応するというプロセスです。
F.M.アレクサンダー 『自分の使い方』第2章)
刺激に対する反応のパターンが固定されてしまった状態が〈習慣〉です。たとえば「座ると腰が痛くなる」という人は、「座る」と決めると、「腰が痛くなる」座り方のパターンしか選択できない状態に陥っているのです。本来ならば座り方ひとつとっても多くの選択肢があり、我々はそれを選択する自由を持っているのです。
この例では、私がサポートしながら、頭が背骨の上でバランスをとった状態で座ってみる、という体験をすれば、新たな反応のパターンを生徒自身で発見することができるのです。
同じ理論に基づいて、立つ、座る、歩く、楽器を構える、演奏する、といった日常の動作から、嫌いな人との会話、オーディション・本番、といった特殊な状況下での活動まで、自分自身の反応を選択する自由をどんどん発見していくことができます。
そんなことをしながらレッスンはあっという間に終了、遠方の生徒さんだったので、継続してのレッスンは不可能だったのですが、半月ほどしてメールを頂きました。
楽器演奏にももちろん効果はあったが、レッスン以来、肩こりと腰痛がピタっとなくなり、なんと長年の悩みだった消化不良も減ったのだそうです。
「自分がいかに身体に負担をかけて生活していたかわかりました」と書かれていたとおり、この生徒さんは長年、しなくてもいい努力を続けることによって結果的に自分の邪魔をしてしまっていたのでした。
自分がしてきたことに不調の原因がある、という事実を突きつけられることは気分のよいものではありませんが、「画期的な治療法」や「期待の新薬」を待つことなく自分自身で治せるということは大きなチャンスなのではないでしょうか!?
この自分でできるようになるプロセスをひとりでも多くの方に体験していただくのが私のレッスンの目標です!
前の記事
2013年11月15日
次の記事
2014年01月03日
関連記事
NO IMAGE
NO IMAGE
NO IMAGE
NO IMAGE
コメント