いずれはホームページのコンテンツとして公開したい内容ですが、万全を期すべくまだまだ時間がかかりそうですので、一部をブログで紹介します。
フォーカル・ジストニアを発症した音楽家は、演奏の微妙なコントロールが効かなくなる発症初期に、症状をテクニックの衰え、練習不足と勘違いして、練習量を増してしまうことが多々あるようです。このことは結果的には症状を悪化させてしまいます。
また、ジムに通ったりして筋肉を鍛える方もいらっしゃるようですが、問題は筋肉の「使い方」ですので、「強さ」は関係ありません。場合によっては症状悪化の原因にもなりますので、お勧めできません。
ストレスの軽減
Jaume Rosset i Llobet, Silvia Fabregas i Molas両氏は著書Musician's Dystonia(邦題どうして弾けなくなるのの中でストレスの軽減の重要性について述べ、具体的にいくつかの提案をしています。たとえば
充分に睡眠をとる
楽観的でいる
勤勉になりすぎない
楽しめることを見つける
自然と触れ合う
よく歩く
悲しいとき、つらいときは我慢せずに泣く
といったことです。フォーカル・ジストニアを発症した音楽家は、突然演奏技術を奪われ、多くの場合周囲の人びとからも理解を得られず、不安と絶望の中で孤独です。そんな時でも、希望を失わずにいること、時には人生を別の角度から見てみることも大切なことだと思います。
自分の身体を知る
フェルデンクライス・メソッド、アレクサンダー・テクニークなどによって、自分の身体がどのように機能しているか、またどのように機能するように作られているのかを知ることが、フォーカル・ジストニアの症状の有無にかかわらず、音楽家の演奏技術向上には役立つことは確実です。
簡単な解剖学的知識を身につけてみるのもいいことだと思います。アレクサンダー・テクニークから派生した「ボディ・マッピング」は、身体のつくりを実際の動きを通して学べる画期的なメソッドです。
習慣から解き放たれる
演奏時に起こるフォーカル・ジストニアは、「楽器を演奏する」という刺激に対して起こる「自動的な反応」が強化されすぎてしまった状態と言えます。そのため、いくら同じ方法で練習(刺激ー反応)を繰り返しても、よくなるどころか、さらに強化されて(つまりは悪化して)しまいます。必要なのは刺激に対する自動的な反応をやめて、自分で反応のしかたを選択するということではないでしょうか?
この刺激に対する自動的な反応を抑えることを学べるメソッドがアレクサンダー・テクニークなのです。
私自身は金管楽器のアンブシュア(口唇)ジストニアで、ボツリヌス毒素や手術は効果が期待できず、診断から2年ほどいろいろと試してみました。その経験から、独断と偏見でおすすめさせていただくのは・・
充分な睡眠
コストもリスクもゼロの素晴らしい手段です。神経には睡眠が一番の薬だと言う先生もいらっしゃいます。
歩く
これもコストもかからず、精神的にも前向きになれるいい方法です。ジストニア患者に処方されることの多い抗コリン剤の服用により、うつ症状が出ることがありますが、午前中に太陽の光を浴びて歩くことはうつ病の改善に効果があるとのことです。
アルコール摂取を少し控える
アルコールは、脳の運動制御に影響を与えます。とはいえ絶対禁酒、などと厳しく決めずに飲みたいときは飲んでみたらいいと思います。ただ、(ドイツでよく見られるのですが)演奏前に緊張を和らげるために飲むようなことはフォーカル・ジストニアの有無にかかわらず避けられるべきだと考えます。
フェルデンクライス・メソッド
繊細な動きを通して、脳と身体のコミュニケーションを増加させます。「運動感覚学習」と呼ばれるこのプロセスにより、身体の機能を活性化させ、向上させます。
ATMというレッスン形態は、大人数でのグループレッスンなので、気軽fに受けられます。本やCDを使っても手軽にできると思います。参考・フェルデンクライスの脳と身体のエクササイズ
アレクサンダー・テクニーク
はじめてレッスンを受けた瞬間から「これだ!」と感じ、間もなく(2013年)3年半にわたる教師養成課程を修了します。
自分の習慣に気づき、人間本来が持っている力を引き出すためのメソッドです。習慣的な自分の使い方(=身体感覚も含む)に気づくためには、自分に合った先生のレッスンを受けることが一番の近道だと思います。
演奏のみならず、生き方自体に変化をもたらすワークです。
一口にフォーカル・ジストニアと言っても様々な症例がある中、上記は必ず改善の助けになるはずです。
他にも何か情報をお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひ問い合わせページからお知らせいただければ幸いです。
また、ここには載せられなかった療法、療法士などの詳しい内容についてのお問い合わせも受け付けています。
フォーカル・ジストニアを発症した音楽家は、演奏の微妙なコントロールが効かなくなる発症初期に、症状をテクニックの衰え、練習不足と勘違いして、練習量を増してしまうことが多々あるようです。このことは結果的には症状を悪化させてしまいます。
また、ジムに通ったりして筋肉を鍛える方もいらっしゃるようですが、問題は筋肉の「使い方」ですので、「強さ」は関係ありません。場合によっては症状悪化の原因にもなりますので、お勧めできません。
ストレスの軽減
Jaume Rosset i Llobet, Silvia Fabregas i Molas両氏は著書Musician's Dystonia(邦題どうして弾けなくなるのの中でストレスの軽減の重要性について述べ、具体的にいくつかの提案をしています。たとえば
充分に睡眠をとる
楽観的でいる
勤勉になりすぎない
楽しめることを見つける
自然と触れ合う
よく歩く
悲しいとき、つらいときは我慢せずに泣く
といったことです。フォーカル・ジストニアを発症した音楽家は、突然演奏技術を奪われ、多くの場合周囲の人びとからも理解を得られず、不安と絶望の中で孤独です。そんな時でも、希望を失わずにいること、時には人生を別の角度から見てみることも大切なことだと思います。
自分の身体を知る
フェルデンクライス・メソッド、アレクサンダー・テクニークなどによって、自分の身体がどのように機能しているか、またどのように機能するように作られているのかを知ることが、フォーカル・ジストニアの症状の有無にかかわらず、音楽家の演奏技術向上には役立つことは確実です。
簡単な解剖学的知識を身につけてみるのもいいことだと思います。アレクサンダー・テクニークから派生した「ボディ・マッピング」は、身体のつくりを実際の動きを通して学べる画期的なメソッドです。
習慣から解き放たれる
演奏時に起こるフォーカル・ジストニアは、「楽器を演奏する」という刺激に対して起こる「自動的な反応」が強化されすぎてしまった状態と言えます。そのため、いくら同じ方法で練習(刺激ー反応)を繰り返しても、よくなるどころか、さらに強化されて(つまりは悪化して)しまいます。必要なのは刺激に対する自動的な反応をやめて、自分で反応のしかたを選択するということではないでしょうか?
この刺激に対する自動的な反応を抑えることを学べるメソッドがアレクサンダー・テクニークなのです。
私自身は金管楽器のアンブシュア(口唇)ジストニアで、ボツリヌス毒素や手術は効果が期待できず、診断から2年ほどいろいろと試してみました。その経験から、独断と偏見でおすすめさせていただくのは・・
充分な睡眠
コストもリスクもゼロの素晴らしい手段です。神経には睡眠が一番の薬だと言う先生もいらっしゃいます。
歩く
これもコストもかからず、精神的にも前向きになれるいい方法です。ジストニア患者に処方されることの多い抗コリン剤の服用により、うつ症状が出ることがありますが、午前中に太陽の光を浴びて歩くことはうつ病の改善に効果があるとのことです。
アルコール摂取を少し控える
アルコールは、脳の運動制御に影響を与えます。とはいえ絶対禁酒、などと厳しく決めずに飲みたいときは飲んでみたらいいと思います。ただ、(ドイツでよく見られるのですが)演奏前に緊張を和らげるために飲むようなことはフォーカル・ジストニアの有無にかかわらず避けられるべきだと考えます。
フェルデンクライス・メソッド
繊細な動きを通して、脳と身体のコミュニケーションを増加させます。「運動感覚学習」と呼ばれるこのプロセスにより、身体の機能を活性化させ、向上させます。
ATMというレッスン形態は、大人数でのグループレッスンなので、気軽fに受けられます。本やCDを使っても手軽にできると思います。参考・フェルデンクライスの脳と身体のエクササイズ
アレクサンダー・テクニーク
はじめてレッスンを受けた瞬間から「これだ!」と感じ、間もなく(2013年)3年半にわたる教師養成課程を修了します。
自分の習慣に気づき、人間本来が持っている力を引き出すためのメソッドです。習慣的な自分の使い方(=身体感覚も含む)に気づくためには、自分に合った先生のレッスンを受けることが一番の近道だと思います。
演奏のみならず、生き方自体に変化をもたらすワークです。
一口にフォーカル・ジストニアと言っても様々な症例がある中、上記は必ず改善の助けになるはずです。
他にも何か情報をお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひ問い合わせページからお知らせいただければ幸いです。
また、ここには載せられなかった療法、療法士などの詳しい内容についてのお問い合わせも受け付けています。
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