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フォーカル・ジストニアは「患う」ものでも「治す」ものでもない?

アレクサンダー・テクニーク教師、演奏改善コーチの佐藤拓です。
すっかり寒くなりましたが、卒業試験、入学試験、卒業演奏会など大事な本番を控えている生徒さんとのレッスンが続く日々です。

さて、私は自分自身の局所性ジストニア(トロンボーン演奏時のアンブシュアの不調)をきっかけにアレクサンダー・テクニークの道に入り、現在は多くの局所性ジストニアの生徒さんとの改善レッスンを頑張っているわけですが、ときどき受ける質問に、「本当に治るんですか?」というのがあります。なかなか難しい質問なのですが、今の時点での私の考えをあらかじめ読んでいただければと思います。

まず「治るか?」ですが、私の所属するアレクサンダー・テクニーク・インターナショナルの倫理規定では、「アレクサンダー・テクニークはあくまでも教育であり、疾病に対する治療と主張してはならない」と定められていますので、「治ります」と言うことはできません。そして、そもそも局所性ジストニアは「患う・治る」という性質のものではないのではないか、という考えに至りました。

私は局所性ジストニア、なかでも特に音楽家のジストニアは、演奏に使う運動パターンが誤ってプログラミングされてしまっている=習慣になってしまっている状態、と考えています。

演奏を上手くいかせようと「不必要なこと」をしてしまう

演奏がうまくいかないからさらに「努力」(不必要なこと)をする

演奏がもっとうまくいかないからさらに「努力」(不必要なこと)をする

という悪循環が続いた結果、演奏に使う適切な運動プログラムが呼び出せなくなってしまっている状態が音楽家のジストニアだと考えています。


私のレッスンでは、「必要」と「不必要」を選別して、人間本来の持つ機能を効率よく使うことによって、生徒さんの運動プログラムに組み込まれてしまった邪魔を取り除くお手伝いをしています。

自分で自分の邪魔をすることをやめれば、驚くほど楽に、もっと思ったように演奏できるはずです。
私のレッスンは、「ジストニアを治す」というよりは、レッスンを受けた生徒さんが運動プログラムを構築しなおした結果、「ジストニア症状が出ない演奏法を獲得する」という言い方が適切です。

局所性ジストニアで悩んでいる方、いろいろ試したけれども改善しない方、連絡お待ちしています。

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2014年12月01日

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