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本の紹介

ウィーンでの音楽家医学シンポジウムに参加し昨日帰国いたしまして、早速演奏改善レッスンを開始しています。

フォーカル・ジストニアの診断を受けたものの、これといった治療もなく、お医者様に指示された「リハビリ」や投薬をしつつわずかな望みと、多くの不安と共に過ごされている音楽家がいらっしゃることを再認識しています。

私自身患者としてスタートしているので、未だにここでも書けないくらいの苦悩を体験していますが、同時に今ではフォーカル・ジストニアは自分自身を大きく成長させる「チャンス」であったとも捉えています。

昨年10月に参加したドイツ音楽家医学生理学協会シンポジウムにおいて、Eckart Altenmüller教授(ジストニア研究の第一人者)が興味深い発言をしていました。内容は、フォーカル・ジストニアを罹患した音楽家を追跡調査した結果、長い目で見ると幸福度が平均的な音楽家よりも高いというものでした。

現在インターネットでフォーカル・ジストニアを検索すると、多くの(難治性である、キャリアの終わりを意味する、等)ネガティブな情報にあふれており、そうかと思えばあまり根拠のはっきりしない「治療法」なるものが宣伝されていたりと、まだまだ健全な情報が少ないのが現状です。かくいう私のアレクサンダー・テクニークによる演奏改善レッスンも、フォーカル・ジストニアに対する効果は医学的に証明されておりません。しかし、ヨーロッパで集めた情報、いろいろな人に会って話をし、教えを請い、意見を交換し、さらに自分自身で実験して築いてきたレッスン内容については自信を持っております。音楽演奏は数値化して評価するのが難しいため、具体的なデータを取るのが不可能と思っていたのですが、先日のウィーンで新しいヒントをもらえたので、近い将来、実際の改善率についての医学的調査を行えればと考えています。

フォーカル・ジストニア、演奏不調でお悩みの方、一度ご相談ください。

音楽家のフォーカル・ジストニアについて、初めて日本語で解説された本をご紹介します。専門的な記述も多いですが、そのあたりを飛ばしてでも読む価値のある本です。数名の専門家たちの論文集なので、すべてが正しいとは言い切れませんが、体系的に一通りのことが網羅されており、また個人レベルでもすぐに実践できるヒントも載っています。

どうして弾けなくなるの? <音楽家のジストニア>の正しい知識のために
J.ロセー、S.ファブレガス 編/NPO法人ジストニア友の会 訳/平孝臣、堀内正浩 監修
音楽之友社 ISBNコード 4276143365 9784276143364
詳細(音楽之友社のページ)


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