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レッスンでよく出会う言葉「何も考えない」と「力を抜く」について その1

2014年12月24日
アレクサンダー・テクニーク教師・演奏改善コーチの佐藤拓です。

私はレッスン中に、生徒さんが上手くできた時に「今、どうして上手くいきましたか?」と毎回、しつこく聞きます。理由は、レッスン中、つまり私がいるときだけでなく、生徒さんが自分の力で上手くいく方法をしっかり見つけて帰ってもらいたいからなのですが、そこでよく返ってくる答えが「何も考えずにやったらうまくいったので…」と「力を抜けたので…」というものです。

音楽に限らない教育の現場や、日常の会話でも、「考えすぎないで」とか「力を抜いて」というアドバイスが満ち溢れていますから、上手くいった原因が「何も考えない」や「脱力」にあると思い込みやすいのですが、果たしてそれがこの先もずっと、重要な局面で助けてくれる建設的なプランなのでしょうか?

大切な本番、難しい箇所に直面したときに、「何も考えない」「力を抜く」が建設的なプランだと私は到底思えないのです。

今回は「何も考えない」について考えてみます。

まず、「何も考えない」ことの難しさを考えてみてください。これを実現できれば高僧の仲間入りです(笑)。では、なぜレッスンで上手くいった時に「何も考えなかった」と感じたのでしょうか?それは、おそらく「いつも考えていたことを考えなかった」ということを指しているように思います。

たとえば私がレッスンの中で、頭と背骨の関係を自由にして、あとは身体の機能が働くのを邪魔しないようにして演奏してみてください、とお願いしたとします。その場合、生徒さんは演奏するときに「いつもと違うこと(=頭と背骨、など)」を考えています。生徒さんの中ではそれは「演奏時に考えること」にカテゴライズされていないので、どうやら「あれ?何も考えなかったのに上手くいきました」と感じているようなのです。

どうかそこで時間を取って考えてください。「何も考えないからうまくいったんだな」と感じたとおりに「何も考えない、何も考えない…」という安易な方法を採用するのではなく、「上手くいった時は、いつもと違うを考えていたのか」を考えていただきたいのです。手っ取り早く言ってしまえば、頭が背骨の上で楽にバランスをとって、身体の機能が存分に働くように、という建設的・意識的な思考がパフォーマンスの向上を生み出したことを自覚的に体感して帰っていただきたいのです。そうでないと、レッスンが終わって生徒さん一人になった時に「あれ?レッスンでは上手くいったのに…」ということになってしまいます。

アレクサンダー・テクニークは「動き」を扱うメソードですが、それは目に見える「動き」を通して、目に見えない「思考」を変化させることによってパフォーマンスを向上させるメソードなのです。

私のレッスンの目標は、すべての生徒さんが自分自身のよき教師になることです。
次回は、もうひとつの「力を抜く」という言葉について考えてみたいと思います。

フォーカル・ジストニアは「患う」ものでも「治す」ものでもない?

2014年12月19日
アレクサンダー・テクニーク教師、演奏改善コーチの佐藤拓です。
すっかり寒くなりましたが、卒業試験、入学試験、卒業演奏会など大事な本番を控えている生徒さんとのレッスンが続く日々です。

さて、私は自分自身の局所性ジストニア(トロンボーン演奏時のアンブシュアの不調)をきっかけにアレクサンダー・テクニークの道に入り、現在は多くの局所性ジストニアの生徒さんとの改善レッスンを頑張っているわけですが、ときどき受ける質問に、「本当に治るんですか?」というのがあります。なかなか難しい質問なのですが、今の時点での私の考えをあらかじめ読んでいただければと思います。

まず「治るか?」ですが、私の所属するアレクサンダー・テクニーク・インターナショナルの倫理規定では、「アレクサンダー・テクニークはあくまでも教育であり、疾病に対する治療と主張してはならない」と定められていますので、「治ります」と言うことはできません。そして、そもそも局所性ジストニアは「患う・治る」という性質のものではないのではないか、という考えに至りました。

私は局所性ジストニア、なかでも特に音楽家のジストニアは、演奏に使う運動パターンが誤ってプログラミングされてしまっている=習慣になってしまっている状態、と考えています。

演奏を上手くいかせようと「不必要なこと」をしてしまう

演奏がうまくいかないからさらに「努力」(不必要なこと)をする

演奏がもっとうまくいかないからさらに「努力」(不必要なこと)をする

という悪循環が続いた結果、演奏に使う適切な運動プログラムが呼び出せなくなってしまっている状態が音楽家のジストニアだと考えています。


私のレッスンでは、「必要」と「不必要」を選別して、人間本来の持つ機能を効率よく使うことによって、生徒さんの運動プログラムに組み込まれてしまった邪魔を取り除くお手伝いをしています。

自分で自分の邪魔をすることをやめれば、驚くほど楽に、もっと思ったように演奏できるはずです。
私のレッスンは、「ジストニアを治す」というよりは、レッスンを受けた生徒さんが運動プログラムを構築しなおした結果、「ジストニア症状が出ない演奏法を獲得する」という言い方が適切です。

局所性ジストニアで悩んでいる方、いろいろ試したけれども改善しない方、連絡お待ちしています。

12月スケジュール

2014年12月01日
12月のグループレッスンスケジュールです。
個人レッスンは随時受け付けていますのでご連絡ください。

フォーカル・ジストニアの音楽家とのレッスンをとおして、日本の音楽家医学や音楽教育の状況がまだまだ十分ではないことを痛感しています。来年の始めにはそのあたりのことを含めたセミナーも企画していければと考えています。
興味のある方はご連絡ください。

4日(木) (吉祥寺)アレクサンダーテクニーク教室FUN!グループ17:00~18:00、19:30~20:30、21:00~22:00
6日(土) 奈良(お問い合わせください)
7日(日)・8日(月) 和歌山(お問い合わせください)
9日(火)・10日(水) 京都(お問い合わせください)
11日(木) (吉祥寺)アレクサンダーテクニーク教室FUN!グループ17:00~18:00、19:30~20:30、21:00~22:00
14日(日) (吉祥寺)アレクサンダーテクニーク教室FUN!グループ13:00~14:00
18日(木) (吉祥寺)アレクサンダーテクニーク教室FUN!グループ17:00~18:00、19:30~20:30、21:00~22:00
19日(金) (川越)海沼音楽教室 
21日(日) (柴崎)スタジオエチュード101 体験講座 11:00~13:00(グランドピアノあり)
25日(木) (吉祥寺)アレクサンダーテクニーク教室FUN!グループ17:00~18:00、19:30~20:30、21:00~22:00 


参加料:
個人レッスン(60分) 10000円
グループレッスン 吉祥寺FUN(60分) 3400円(回数割引あり)
         柴崎体験講座(2時間) 3500円
         川越・海沼音楽教室(90分)3800円
         
・個人レッスンは回数割引をします。ご相談ください。
・2013年以前よりレッスンを受けてくださっている方は個人レッスンを7000円に割引します。
・遠隔地の方にはレッスン時間、会場を最大限配慮します。ご相談ください。

・個人レッスンはご自身の確認・復習のための撮影・録音大歓迎です。
・プライバシーの保護に最大限の注意を払い、秘密は厳守いたします。