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ドイツ・ジストニア協会年次会合に行ってきました

ドイツ・ジストニア協会の第19回年次総会に行ってきました。帰宅したのは午前2時ですが、興奮冷めやらぬ状態で今この文章を書いています。

ドイツ全土から、いろいろなタイプのジストニア患者が年に1度集まり、医師や専門家の研究発表を聞き、グループ別に分かれて体験を話したり、議論したり、というとても刺激的な1日を過ごすことができました。

実は、このホームページの作成に際して、ジストニア協会発行の資料から引用をさせてもらいたいと思い、事務局にメールで問い合わせをしておりました。その上で今日、この件に関してジストニア協会の代表であるウテ・キューン氏とも直接お話ししようと考えていました。
いつ話に行こうかとタイミングをうかがっていたら、ウテ・キューン氏のほうからこちらに近づいてきて、「あなたの名前は・・・そう、サトウさん!」というではありませんか!改めて自己紹介をして、ホームページの件をお話したら、「もちろん聞いていますよ。協会の発行した資料は自由に利用してください。私たちは助け合わなければいけません。」と快く承諾してくださいました。

開会のとき、代表挨拶をしたウテ・キューンさんは「我々は大きな家族なのです」と仰られていました。自らもジストニア患者で、その上、無給でジストニア協会の代表をされていることに敬意を表したいと思います。

会に参加した患者やその家族たちは、ウテ・キューンさんの「家族」という言葉がぴったりくるくらいに、お互いに多くを語らなくても共感できる、居心地のいい空間を作り出し、その雰囲気は、不思議な安らかさに満ちていました。

今日感じたことは、動作特異性フォーカル・ジストニアはその他のジストニアとは違ったアプローチで治せるのではないか、予防も有効なのではないだろうか?ということです。また詳しく書きます。
研究発表の内容についても、改めてレポートしたいと思います。

2021年4月10日追記
夜遅くに、電車の乗り換え待ちのケルン中央駅のマクドナルドでこの記事を書いたことを昨日のように覚えています。
実はこの会に参加しながら、会場で私は少し気後れしていました。見た目ですぐわかるくらいに首が曲がった人、車いすに乗って常に身体を捻らせている人…それに比べて、私は「付き添いですか?」と聞かれるくらいの健康体(笑)。ご自身も眼瞼下垂(瞼が開きにくい)の症状で目をぱちぱちさせているウテさんに率直にそのことをお話ししました。「私は、皆さんに比べたらたいした症状ではないのかもしれない…」そうしたら、ウテさんは「私のこの症状は確かに辛いけど、私は仕事を続けられています。あなたたち音楽家は、ジストニアによって職業を奪われている。いろいろな辛さがあって、それは比較できないのです」とサラリと仰いました。
私は今、NPO法人ジストニア友の会の副理事長をしていますが、このようなメッセージを伝えられているだろうか…?と自問する日々です。


コメント
[1] connie | 2012/06/24 17:02
はじめまして。
「フォーカル・ジストニア」で検索していて、こちらを見つけました。
わたしはアマチュアのピアノ弾きですが、2年半ほど前にフォーカル・ジストニアを発症させました。
わたし自身はとりあえずコントロールは出来ているので今のところは悩んでも苦しんでもいないのですが、それでもいろいろな情報を求めてネット上を常に徘徊しております。
こちら様は明るいトーンのブログでなんとなくほっとします。
日本では明るいトーンでフォーカル・ジストニアを語る方は少ないのです。
またお邪魔させていただきたく存じます。
失礼いたしました。
[2] taku sato | 2012/06/25 07:48
connie様

コメントありがとうございました。
私自身がフォーカル・ジストニアという事実を受け入れ、付き合っていこうと決意した過程を思い起こして、少しでも読む人に前向きな気持ちを持ってもらえたら、と思って書いています。そのあたりのことを汲みとっていただけたようで、とてもありがたく思います。
フォーカル・ジストニアの情報はまだまだ少ないのが現実なので、少しずつではありますが、情報を充実させていければと思っています。connie様のご意見、ご感想も是非お聞かせください。
これからもよろしくお願いいたします。

佐藤拓
name.. :記憶

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